INDOOR AIR GUIDE
室内空気質とは?建材・家具・換気から考える住まいの空気
室内空気質を左右する建材、家具、生活行為、換気の関係を整理します。VOC・微粒子・湿気・においを一つの指標で判断しないための基礎知識です。
室内空気質とは、室内の空気がどのような状態にあるかを考えるための総合的な見方です。化学物質、微粒子、湿気、におい、換気状態などが関係するため、一つの数値や一つの建材だけで良し悪しを決めることはできません。
新築やリフォームで内装材を選ぶときは、材料の性能情報だけでなく、家具や日用品、暮らし方、換気設備まで含めて確認することが大切です。
室内空気質をつくる四つの要素
室内の空気に影響するものは、大きく四つに分けて考えられます。
建材や家具から発生するもの
塗料、接着剤、合板、家具などから、ホルムアルデヒドを含む揮発性有機化合物(VOC)が放散する場合があります。ただし、発生量は材料の種類だけでなく、温度、経過時間、施工状態などによっても変わります。
「自然素材だから化学物質がない」「新築のにおいがしないから問題がない」といった判断は避け、表示と根拠資料を個別に確認します。
暮らしの中で発生するもの
調理、暖房、掃除、洗濯物の室内干し、芳香剤や清掃用品の使用なども、室内の空気へ影響します。水蒸気や燃焼由来の物質、香りの成分など、発生するものは行為ごとに異なります。
屋外から入るもの
花粉、土ぼこり、排気由来の微粒子などは、窓や玄関、給気口から入ることがあります。換気は必要ですが、屋外の状況やフィルターの状態も合わせて考える必要があります。
換気と空気の流れ
発生源が同じでも、換気量や部屋の使い方によって室内の濃度は変わります。給気口を家具でふさいでいないか、換気設備が動いているか、フィルターが目詰まりしていないかを定期的に確認します。
VOC・微粒子・湿気・においは分けて考える
室内空気の悩みは互いに関係することがありますが、同じものではありません。
- VOCは、常温で揮発しやすい有機化合物の総称
- PM2.5は、粒径が非常に小さい粒子状物質
- 湿気は、空気や材料に含まれる水分に関する状態
- においは、人が嗅覚で感じる感覚で、原因物質はさまざま
- カビは、湿った状態や栄養分など複数の条件が重なることで生育する微生物
においが弱いことは、特定の化学物質が存在しないことを意味しません。反対に、においがあるものがすべて危険というわけでもありません。確認したい対象ごとに、適した表示や試験結果を見る必要があります。
住まいの空気を確認する順番
迷ったときは、次の順番で整理すると原因と対策を考えやすくなります。
- 気になる場所、時間帯、天候を記録する
- 調理、入浴、暖房、家具、日用品などの発生源を確認する
- 給気口、換気扇、フィルターと空気の通り道を確認する
- 温度と湿度、結露の有無を確認する
- 建材の表示と、試験対象・方法・条件を確認する
強いにおい、広範囲のカビ、繰り返す結露などがある場合は、表面だけでなく漏水や断熱、換気設備を含む確認が必要です。
壁材の性能情報をどう読むか
壁は室内で大きな面積を占めるため、内装材を選ぶ視点の一つになります。ただし、試験体で確認された性能と、実際の部屋全体の結果は同じではありません。
性能を比較するときは、数値だけでなく、何を対象に、どの条件で、どれくらいの時間測ったのかを確認します。OceansForestWALLについても、個別の性能を住環境全体の保証としてではなく、試験結果と条件を一緒に確認できる情報として掲載しています。
参考資料
- 厚生労働省「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」
- 厚生労働省「室内空気中化学物質の指針値等」
- 室内環境学会「建築材料選定が室内化学物質濃度に及ぼす影響」
- 環境省「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」
※本記事は室内空気を考えるための一般情報です。健康上の不安は医療機関へ、建物や設備の不具合は建築・設備の専門家へご相談ください。